硫化水素を発生させての自殺が後を絶たないが、その問題のあおりを受けて老舗の会社が倒産の危機に直面している。
本格的入浴剤の製造中止 硫化水素自殺騒動の影響で
硫化水素自殺に悪用され、全国の薬局で販売自粛措置が取られるなどした影響を受け、武藤鉦製薬(名古屋市)が10月末で、イオウ成分を含む入浴剤「六一〇(ムトウ)ハップ」の製造を中止したことが分かった。
すでに販売自粛は解除されているが、同社は「知らない薬局も多く、作っても売れない状況が続くなどし、製造を中止を決めた」としている。ムトウハップは同社の唯一の製品で、今後は別事業で会社を存続させるという。
ムトウハップは、硫黄や生石灰などを主成分としている。硫黄が入っている入浴剤は、ほとんどなく「家庭で温泉気分が味わえる」として人気だった。また、薄めて湿布すると腰痛や皮膚炎にも効くとされ、愛好者は多岐に渡っていた。
しかし、今年1月ごろにインターネット上に、硫黄成分を含む入浴剤と洗剤を混ぜる硫化水素自殺の方法が紹介されて以降、状況が一変。
自殺者のほか、巻き添えで死亡する家族も出るなど社会問題化し、日本チェーンドラッグストア協会が硫黄成分を含む入浴剤の販売自粛を加盟の小売店に要請。ムトウハップの返品が相次いだ。販売自粛要請は7月には解除されたが、同社は「多くの店は解除を知らず、倒産などの誤ったうわさも流され、返品は止まらなかった」。こうしたことを受け、製造中止を決めた。
同社は創業102年になるが、ムトウハップの販売だけに頼って会社経営を続けてきた。社員のひとりは「長く続けてこられたのも製品が良かったから。こんなことで製造中止に追い込まれるなんて…」と話していた。
(11月26日産経新聞)
自分が子供のころに実家の風呂でこの入浴剤を使っていたことがある。
昔のことであまり覚えていないが、温泉の雰囲気を感じさせる独特の硫黄臭については微かに印象が残っている。
先日の蒟蒻ゼリーの生産中止の際もそうだったが、何か問題が起こると、それを使用、消費する側の問題は棚上げにしておいてその製品そのものに問題の原因までもすべて負わせる形で販売中止や生産中止をすることが多い。マスコミの風潮として犯人探しをして記事を盛り上げるようなところがあるので、傷口が広がらないうちに企業側も対応を迫られてしまう。
今回については、結果として風評が広がり消費者だけでなく販売店まで一緒になって不買運動に走ってしまった為、会社の経営を圧迫してしまった。市場に認められ100年以上も愛され必要とされてきた製品であったのにも関わらずである。風評とは非常に恐ろしく、時間の経過だけが沈静化の方法で、消そうとすればするほど広がるばかりで、じっと我慢するしかない。経費を莫大に掛けることができるならば、松下電工やパロマなどが行ったようにCMなどで広報し製品の安全性や会社の姿勢を示すことで、風評の広がりを抑えることはできるが、一般の中小企業にはそれは難しい。
いつどんなことで突然風評の被害に晒されることになるのかは予測できない。
常にどんな事態に遭遇しようとも企業として切り抜けることができる危機管理の意識と準備も怠ってはならない。
今回の件では、武藤鉦製薬はこの入浴剤だけで、営業しており他の製品を持っていない。代替の商品の発売も予定していないと聞いているが、おそらく新たな製品の発売したくとも、開発できる陣容になっていないものと思われる。100年以上愛される素晴らしい製品だから、同じ商品にこだわって一切手を入れないということもブランドである。しかし、その製品に頼りきり、予期せぬ困難が降りかかってくる可能性を考慮した危機管理体制をとっていなかったことは確かである。
結果論だが、この風評が収まるまで会社を維持できる危機管理ができなかったことで、素晴らしい製品が姿を消すということになってしまったことは残念だ。
本格的入浴剤の製造中止 硫化水素自殺騒動の影響で
硫化水素自殺に悪用され、全国の薬局で販売自粛措置が取られるなどした影響を受け、武藤鉦製薬(名古屋市)が10月末で、イオウ成分を含む入浴剤「六一〇(ムトウ)ハップ」の製造を中止したことが分かった。
すでに販売自粛は解除されているが、同社は「知らない薬局も多く、作っても売れない状況が続くなどし、製造を中止を決めた」としている。ムトウハップは同社の唯一の製品で、今後は別事業で会社を存続させるという。
ムトウハップは、硫黄や生石灰などを主成分としている。硫黄が入っている入浴剤は、ほとんどなく「家庭で温泉気分が味わえる」として人気だった。また、薄めて湿布すると腰痛や皮膚炎にも効くとされ、愛好者は多岐に渡っていた。
しかし、今年1月ごろにインターネット上に、硫黄成分を含む入浴剤と洗剤を混ぜる硫化水素自殺の方法が紹介されて以降、状況が一変。
自殺者のほか、巻き添えで死亡する家族も出るなど社会問題化し、日本チェーンドラッグストア協会が硫黄成分を含む入浴剤の販売自粛を加盟の小売店に要請。ムトウハップの返品が相次いだ。販売自粛要請は7月には解除されたが、同社は「多くの店は解除を知らず、倒産などの誤ったうわさも流され、返品は止まらなかった」。こうしたことを受け、製造中止を決めた。
同社は創業102年になるが、ムトウハップの販売だけに頼って会社経営を続けてきた。社員のひとりは「長く続けてこられたのも製品が良かったから。こんなことで製造中止に追い込まれるなんて…」と話していた。
(11月26日産経新聞)
自分が子供のころに実家の風呂でこの入浴剤を使っていたことがある。
昔のことであまり覚えていないが、温泉の雰囲気を感じさせる独特の硫黄臭については微かに印象が残っている。
先日の蒟蒻ゼリーの生産中止の際もそうだったが、何か問題が起こると、それを使用、消費する側の問題は棚上げにしておいてその製品そのものに問題の原因までもすべて負わせる形で販売中止や生産中止をすることが多い。マスコミの風潮として犯人探しをして記事を盛り上げるようなところがあるので、傷口が広がらないうちに企業側も対応を迫られてしまう。
今回については、結果として風評が広がり消費者だけでなく販売店まで一緒になって不買運動に走ってしまった為、会社の経営を圧迫してしまった。市場に認められ100年以上も愛され必要とされてきた製品であったのにも関わらずである。風評とは非常に恐ろしく、時間の経過だけが沈静化の方法で、消そうとすればするほど広がるばかりで、じっと我慢するしかない。経費を莫大に掛けることができるならば、松下電工やパロマなどが行ったようにCMなどで広報し製品の安全性や会社の姿勢を示すことで、風評の広がりを抑えることはできるが、一般の中小企業にはそれは難しい。
いつどんなことで突然風評の被害に晒されることになるのかは予測できない。
常にどんな事態に遭遇しようとも企業として切り抜けることができる危機管理の意識と準備も怠ってはならない。
今回の件では、武藤鉦製薬はこの入浴剤だけで、営業しており他の製品を持っていない。代替の商品の発売も予定していないと聞いているが、おそらく新たな製品の発売したくとも、開発できる陣容になっていないものと思われる。100年以上愛される素晴らしい製品だから、同じ商品にこだわって一切手を入れないということもブランドである。しかし、その製品に頼りきり、予期せぬ困難が降りかかってくる可能性を考慮した危機管理体制をとっていなかったことは確かである。
結果論だが、この風評が収まるまで会社を維持できる危機管理ができなかったことで、素晴らしい製品が姿を消すということになってしまったことは残念だ。
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